2026年6月28日に、合同会社 DMM.com本社で開催された「RESEARCH Conference 2026」にて、下記の研究発表を行いました。
正解をつくらないデザイン―専門職との対話と分析を通じたシリアスゲームの設計―
川北 輝, 川北 成美
本発表では、看護教育におけるシリアスゲームの設計過程を題材に、専門職との対話や質的分析を通じて、「正解をつくらないデザイン」として、どのように学習体験を構成していくのかについて報告しました。
本研究で制作するシリアスゲームは、現場で起こる複雑な臨床判断や葛藤を、体験を通じて考えるための学習環境です。看護のように、正解が一つに定まらない状況が多く含まれる領域では、「正しい選択肢を選ぶ」ことだけではなく、なぜその判断に至ったのか、患者や周囲の状況をどのように捉えたのかを振り返ることが重要になります。
発表では、専門職が持つ暗黙知をどのように言語化し、ゲーム内の場面設計や選択肢、フィードバックへと反映するのかについて紹介しました。また、専門職との協働において、研究者やデザイナーが一方的に教材を設計するのではなく、現場の経験や価値観を丁寧に聞き取りながら、学習者が考え続けられる構造をつくることの重要性についても述べました。
RESEARCH Conference 2026では、企業、大学、デザイン、UXリサーチ、サービス開発など、多様な領域の実践者・研究者が集まり、研究を社会の中でどのように活かしていくかについて活発な議論が行われました。
今後は、シリアスゲームのプロトタイプをさらに改善し、看護教育や専門職教育における実践的な活用可能性を検討していきます。また、ゲームやインタラクティブメディアを通じて、学習者が「判断すること」、「迷うこと」、「振り返ること」を体験できる教育デザインのあり方について、引き続き研究を進めていきます。
